コア・サテライト戦略

投資

コア・サテライト戦略とは

資産運用の考え方のひとつに「コア・サテライト戦略」というものがあります。

一般的にはコア(中核)部分はリスクを抑え、サテライト(衛星)部分は、多少リスクを取って収益の向上を目指すもので、投資のプロである機関投資家などは当たり前の戦略として取り入れられています。

 φナンシャル的投資術ではインデックス投資を推奨しておりますが、コア資産としては手数料が安く幅広い市場に分散されている金融商品が適しているといわれており、インデックス投資は最適です。

一方、サテライト資産は相対的に高いリスクの資産が該当します。

インデックス投資がパッシブ運用と呼ばれているのに対し、高リスクの商品はアクティブ運用と呼ばれ、市場平均(ベンチマーク)以上のリターンを目指す金融商品です。

コア・サテライト戦略とは、コア資産で安定的に市場平均をめざした守りの運用、サテライト資産で市場平均を上回るアクティブ運用に投資する攻めの運用で利益の底上げを目指します。

コア資産とサテライト資産との割合が重要になりますが、これには決まった割合があるわけではなく、自身のリスク許容度に合わせて割合を決めます。

リスクを取るなら「コア資産6:サテライト資産4」、リスクを抑えて「コア資産8:サテライト資産2」などのようにリスク許容度に応じてポートフォーリオを構築します。

アクティブ運用は市場平均を下回る?

市場平均を上回る利益を目指すものが、アクティブ運用というお話をしました。

アクティブ運用は、プロの運用機関が銘柄や株式セクターの組み合わせを変えたりして、市場平均を上回るようにポートフォーリオを組むわけですが、1年間で市場平均を上回る運用機関は全体の4割、10年では3割、20年では2割の運用機関しか市場平均を上回ることができなかったとされています。

なぜならプロの運用機関は取引市場の95%を占めていて、プロの運用機関そのそのものが市場なわけですから、プロの運用機関の大多数が市場平均を上回ることは理論的にあり得ないわけです。投資期間が長くなれば長くなるほど市場平均に近づきます。

プロの運用機関でさえ市場平均を上回ることは難しいわけですから、コア・サテライト戦略のサテライト資産の比率を上げることは、長期的にはリスクが大きくリターンは小さいでしょう。

インデックス運用だけでいい?

個人的には長期投資はインデックス投資つまりコア資産だけで十分と考えています。優秀なファンドマネージャーがたくさんいるプロの運用機関でさえ、市場平均を上回ることは難しいわけですから、高い手数料を払ってまでアクティブ運用をする意味はそれほどないでしょう。

ただ、コア資産であるインデックス投資は一度運用を始めてしまうと、やることはほとんどありません。逆に何かをしてはいけません。相場の高騰期にも暴落期においても、自身の投資政策をブレずに長期間維持することが大切です。

ただ、ほとんどの人は、高騰期にも暴落期にもパニックになります。高騰期には「今こそ買いだ!」暴落期には「すべて売りだ!」というムードが支配的になり長期間運用を続けることは難しくなります。

インデックス投資は長期で成果を上げる投資ですから、高騰期にも暴落期にも耐えて粛々と投資を継続することが大切です。

サテライト資産を持つ意味

コア資産であるインデックス投資は長期間続けることが最大のミッションですが、投資家にとって何もしないことは難しいことだと思います。

市場が高騰し続けているのに、何もしないでじっとしていると、実際には損していないのに損している気持ちになる人もいるかもしれません。

コア資産であるインデックス投資は面白味に欠けるのです。

そこでサテライト資産はコア資産を継続運用するためのスパイスにするという考え方もあります。

コア資産はじっと耐えて長期で運用し、サテライト資産は投資を楽しむ資産として、市場と付き合うのもいいでしょう。

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