複利とは?
金利の計算方法には単利と複利があります。
複利に関するこんな逸話があります。豊臣秀吉に支えた家臣の話なのですが
秀吉と将棋で勝ったその家臣は、秀吉に「褒美に好きなものを与える。何か欲しいものはあるか?」
と聞かれ、こう答えたそうです。
「将棋のマスに端から順に米を一粒、次のマスには二粒、
その次のマスには四粒、八粒、、、
これを81マス全ていっぱいになるようにください。」
これ計算して見ると天文学的数値になります。
1マス目は1粒
2マス目は2粒
10マス目で512粒
20マス目で50万粒
50マス目で500兆粒
、
、
80マス目で600穣(10の28乗)粒
81マス目で1000溝(10の32乗)粒
もはやどれくらいの量になるのか想像がつかなくなりました。
これが複利の考えで、複利には偉大なパワーがあります。
アインシュタインも、複利は人類最大の発見といっています。
例えば
元金100万円を年利5%で20年間運用した場合、
単利では毎年5万円の金利となり20年間では20年×5万円=100万円
複利では1年目の金利5万円を次の年に繰り越して、2年目は105万円に対して5%の金利がつき、これを20年間繰り返すと金利は約165万円となり、単利と比べると65万円も多くなります。
単利では元金が変わりませんが、複利は元金に金利が加わり増えていきます。金利に金利がつくわけです。
72の法則
72を利率で割ると元金が2倍になるまでのおおよその年数が算定できます。
例えば
100万円の元本を金利5%で運用した場合に、200万円にするには72÷5=14.4年が必要となります。
100万円を14年間銀行に預けても今は1万円程度の利息がつけばいい方ですが、5%の利回りで運用すると100万円の金利がつくのです。まさにお金に働いてもらうとはこのことです。
複利の誤解
平均利回り5%という金融商品は毎年5%の金利を生み出せるわけではなく、1年目は10%、2年目は5%、3年目は0%のように毎年変動します。
100万円の元金を3年間運用して利回りが毎年5%で一定の場合、3年後は115.8万円になりますが、1年目10%、2年目5%、3年目0%と変動する利回りの場合、3年後は115.5万円となり、一定利回りの場合より少なくなります。
同じ平均利回り5%でも変動する利回りでは、得られる金利は減少してしまうのです。
アメリカの株価指数であるS&P500で見た場合、40年間の平均リターンは9.94%と言われています。
これを毎年100万円づつ積み立てて、平均リターン9.94%で40年間運用すると、
毎年均等にリターンを計算した場合、40年間で元本4,000万円は約4.8億円近くになります。
一方、実際の利回りで計算すると、利回りは毎年変動していますので、元本4,000万円は約2.9億円にしかなりません。
実際の平均利回りは毎年平均利回りの60%くらいしか利益を上げりことができませんでした。
複利を見せかけの平均利回りで計算すると、大きな誤解を生むことになります。
資金を増やすコツ
お金というのは正しい運用をすれば増えていきます。複利の効果は見せかけほどのリターンは得られませんが、それでも投資を行なう上では強力な武器となります。
しかしせっかく増えた資産を使ってしまうと元本が増えないので、資産は増えていきません。
大切なことは複利で増えた資産を、使わずにそのままにしておくことです。
時間を味方につけて、長期間複利で運用し、資産を増やし続けることが大切です。
まとめ
- 複利は金利に金利がつく、単利は元本にしか金利がつかない
- 72を金利で割れば、資産を2倍にするまでの年数が計算できる
- 実際の利回りは変動しているので、平均利回りで計算するよりリターンは少ない。アメリカの株価指数S&P500をモデルに40年間の運用シュミレーションでは、平均利回りの6割のリターンとなった。
- 資産を増やすには、増えた資産を使わずに目標とする額まで長期間待つこと。使ってしまうと元本が増えないのでお金は貯まらない。